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執筆者の写真池上秀志

サブ3は簡単だ

更新日:2021年9月27日


 先日偶然にも驚愕の数字を目にしました。それはマラソンをやっている人の2.9%しか3時間を切っていないということです。この記事を読んだ瞬間私は「えっそうなんですか!?俺の集中講義の受講生は半分くらいサブ3なんですけど」と思いました。この半分くらいという数字はおそらく3人に1人まで下方修正されると思います。何故なら、熱心に講義を受講してくださる方ほどアンケートに答えてくださる割合が高く、熱心な方ほどサブ3の割合が高いことが予想されるからです。それにしたって、少なく見積もって約3人に1人です。どうしてこのような結果が出せるのか正直私も分かりません。私自身が2時間10分切りを目指して競技を続ける中で、役に立つと信じるものを受講生の皆さんにお伝えしているだけです。


 そして、正直な話どうしてたったの3%しかサブ3を達成できないのかも正直私には分かりません。サブ3は簡単なんです。以下に論理的にそのことを説明したいと思います。


 長距離には落ち率という言葉があります。落ち率というのは長い距離を走るときにどれだけペースを落とさずに走れるかを示す数字です。例えばここに二人の5000m15分ちょうどのランナーがいるとしましょう。このうちのAは10000mを30分50秒で走ります。そして、Bは10000mを31分ちょうどで走ります。この時、AはBよりも落ち率が低いというふうに表現します。何故なら、5000mの走力は同じなのに、10000mではAの方が速いからです。距離が長くなれば誰しもペースは落ちます。でもその落ちる割合が低いことを落ち率が低いと言います。


 私の中での一つの公式は「距離が倍になれば、ペースは1キロ当たり5秒落ちる」というものです。これは経済的な走りを身につけ、泥臭く有酸素ランニングに取り組まないと達成できません。ですが、逆の言い方をすればそれができれば達成できますし、この数字を上回ることも可能です。


 この数字を当てはめるとマラソンを2時間10分で走るには最低でも5000mを14分10秒で走れないとマラソンを2時間10分では走れません。通常はもう少し、余裕をもたせて13分台の走力は欲しいところです。そのように考えると、5000mあたり1分半の余裕は欲しいところです。でも持久力に優れた選手であれば、5000mが14分ちょうどくらいのタイムでもマラソンで2時間8分台を出します。そうやって考えると1分15秒くらいの余裕でも強い選手は押し切ってしまうわけです。


 逆に遺伝的にスピード型の選手もいるでしょう。その場合はかなり余裕をもたせて考えても2分くらいの余裕は欲しいところです。ヨーロッパ系の選手で落ち率が著しい選手は5000mが13分20秒でマラソンが2時間9分とかですから、この数字も妥当だと思います。


 では、この数字をサブ3に当てはめるとどうなるでしょうか?サブ3のペースはおよそ5kmが21分15秒です。ここからかなりの余裕をもたせて2分を引くと19分15秒です。どうでしょうか?このタイムで5000mを走れる人は市民ランナーの中でもたくさんいるのではないでしょうか?少なくとも3%よりははるかに多いでしょう。中には60代で5000mを17分台で走るツワモノもいます。


 ここからさらに逆算して、5000mを19分15秒で走るには3000mをどのくらいで走る必要があるでしょうか?これも一キロあたり5秒速くなると考えると、11分18秒です。ここからが私の疑問点です。果たして、3000m11分18秒とマラソンのサブ3はどちらが簡単でしょうか?


 この質問に対して多くの方が3000m11分18秒だと答えます。場合によっては、この質問をすると「こいつマラソンのこと何もわかっていないんだな」という顔をされることすらあります。でもここまで順を追って説明してきたように、この数字の達成の難易度は同じか、どちらかといえばマラソンでサブ3をする方が簡単なのです。なぜならこの数字は落ち率を大きめに見積もっているからです。


 「エリートランナーと違って市民ランナーは練習する時間がない」というご意見もわかるのですが、そのことと落ち率の大きさは関係ないように思います。エリートランナーにとって一番のネックは質の高い練習量を増やして、なおかつそのトレーニング刺激に対して適応するということです。エリートランナーの場合は全てにおいて人類の限界値に近いところでやっているのでさらなる向上というのは難しいのですが、市民ランナーの方は比較的伸びしろを残しているので、むしろタイムを伸ばすのは簡単なんです。


 こうやって順を追って理論の部分から説明していき、では実際にはどういう練習をすれば良いのかという実践の部分もステップバイステップで取り組んでいくのが私の教え方です。正直に言いますが、私の集中講義を受講する方の方が私の競技人生よりも順風満帆にタイムを伸ばしていくので、嫉妬しかありません笑


 でも私はあくまでも原理原則の部分をお伝えしているだけなので、特別なことは何もしていません。ここまで説明してきた通りの考え方をそのままサブエガに当てはめるなら5000mは18分ちょうどで良いわけです。この数字も多くの市民ランナーにとってそれほど難しい数字ではありません。この数字に到達していない人も比較的簡単に辿り着けますし、すでにこの数字に到達している人もたくさんいます。


 でもやっぱり、「5000m18分ちょうどとサブエガは同じレベル」と言っても「お前マラソンのことわかってないな」という顔をされることが多いんです。多分、私の経歴を話さずに、あるいはここまで順を追って説明してきたようなことを説明せずに話したら、全然相手にもしてもらえないと思います。


 でも、みんなが私の話を相手にしてくれないからこそ、一般のサブ3達成率と私が経営するウェルビーイング株式会社の集中講義の受講生との間には10倍ものサブ3達成率の違いが生まれるのでしょう。


 今回はサブ3は簡単だということを論理的に説明してみましたが、もっと具体的にサブ3の達成方法を知りたい!いやいや、自分は2時間35分を切って色々なレースに出たい!という方のために日本一のオンライン大学「ランナーズユニバーシティ」をご用意いたしました。動画や電子書籍など100時間を超えるコンテンツをご用意しております。入校案内はこちらをクリックしてお受け取りください。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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