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執筆者の写真池上秀志

練習会はこう使え!

 皆さん、こんにちは!ランナーの為の日本一の大学「ウェルビーイングオンラインスクール」で講師を務めさせて頂いております、池上秀志です。実は先日ウェルビーイングオンラインスクールの受講生様より下記のようなご質問を頂きました。


「いつも有益な情報を有難うございます!


練習での質問です。


地元のランニングクラブで時間の許す時にインターバル練習に参加しています。


3時間30分切り目標の自分の実力的には設定タイム全部はついていけないので、


一番遅いEチームに入り、1000m5本の時は600mで、400m12本の時は200m〜300mを、


フォームが崩れて喘がない範囲で行っています。


つなぎは大体停止して休んでいます。


下記は1000mの設定タイムです。


A 2’55-3’05(3’00) B 3’05-3’15(3’10) C 3’15-3’25(3’20) D 3’25-3’35(3’30) E 3'35-3’45(3’40)



池上さんから見てこの練習方法に間違いはないでしょうか。


やはり自分のレベルの設定タイムでキッチリ距離と本数を行った方が効果的でしょうか。


何か他に結果に繋がる良い方法がありましたらアドバイスを頂けますと幸いです」


 私自身も高校を卒業してからもう8年くらいずっと基本は一人で練習しています。ただ、その間ずっと一人だったかと言うとそんなことはなく、他の方と一緒に練習させて頂く機会もありました。ただ、何事もそうなのですが、他人と一緒に練習することにはメリットとデメリットがあります。メリットとしては、「楽しい」「追い込みやすい」「レースの感覚がつかみやすい」「一人ではできない練習が出来る」などがあります。


 一方で、デメリットとしては、「自分に合わない練習になるリスクがある」「戦略的ではなくなる」「結果として、労力に見合わない練習になるリスクがある」「練習場所や練習時間を合わさなければいけない」などのデメリットがあります。モノは使いようとはよく言ったもので、練習会の使い方がセルフコーチングを成功させるカギとなります。さて、以下は私の回答です。


「こちらこそいつも弊社のコンテンツをご利用いただき、また大変鋭いご質問をありがとうございます。


 先ず、練習にはそれぞれ目的があるため、そのお話をお伺いしただけでは、それが良いとか悪いということは出来ません。

ですので、今回は建設的な回答として、どのようにその練習を使えば良い練習になるのかという回答をさせて頂きたいと思います。

先ず第一に、自分よりも速い人と走れる機会があることは、良いことだと思います。何故なら、リズムだけ合わせてあとは力を抜くことに全集中することが出来るからです。これが一人で走る場合だと、ペースが速いのである程度力を入れつつも、なるべくリラックスして走るという二つのことを意識する必要が出ます。せっかく、一緒に走らせてもらえるなら後ろについて、なるべく力を抜くように心がけてみてください。それを繰り返していくうちにその動きを体が覚えるので、一人でやっても同じような感覚を出しやすくなります。そういう意味で、喘がない程度についていくというのはとても良いことだと思います。


 第二に、ではついていけるところまでついていって休息を長めにとる練習はどのような練習になるかと言うと、基礎的なトレーニングであり、鍛える練習です。鍛えるといっても追い込むとか限界まで負荷をかけるというイメージではなく、自分の器を大きくする、レースで良いタイムが出せる可能性を広げるというイメージです。例えば、1kmをずーっと3分40秒で走り続ければマラソンは2時間35分です。このタイム自体はもしかすると、今の小平さんにとっては非現実的かもしれません。ですが、こういった練習を繰り返すことで長期で見たときに、サブ3などの可能性が高まるとともにマラソンで3時間半のペースが遅く感じられるようになります。また、マラソン3時間半切りのレースペースで押していくような練習を取り入れたときに、筋力的、神経筋的に余裕があるので故障やオーバーペースのリスクが下がります。


 第三に、ではこういう練習を繰り返していくとマラソンでもタイムが出せるのかというと答えはイエスであり、ノーです。第二のところで述べたように、こういった練習が小平さんのポテンシャルを大きく引き上げることは間違いありません。ですが、最終的にマラソンで3時間半を切るなら重要なのは4分50秒で走った時の余裕度を上げることと、そのペースで走った時に42.195kmが走り切れるように筋持久力と代謝システムを効率化していく必要があります。ですから、レースが近づいてくると(最後の6週間±2週間)、より重要な練習は20kmを4分50秒で走るような練習や30kmから40kmを5:15/kmで走るような練習になってきます。そして、そのような練習が入ってくると同時に疲労をしっかりとぬくことが重要になるので、上記のような短く速く、長い休息で走るような練習はプラスマイナスを考えると本来は望ましくないです。そういった練習会はしばらく顔を出さないと次に顔を出しにくくなるというのもあると思うのですが、使い方としては重要なレースが近づいてくると、頻度を減らしてよりレースに近い刺激の練習に重点を置いていくと良いと思います。あるいは週に2回重点を置く練習を入れるなら、1回はレースペースに近い15‐21km走(ハーフマラソンのレース含む)、1回はロングラン、もう一回は400m20本の練習会に参会して200m20本を補助的に入れるというのも良いでしょうし、或いは重点を置く練習は週に1回にして、1週間ごとに15‐21kmをレースペース(4:50/km)で走るような練習と30‐35kmをレースペースに近いペースで走るような練習(5:15-5:00)を交互に入れると良いかもしれません。


 このように使い方次第で良い練習にもなれば、悪い練習にもなります。悪いケースは重要なレースが近づいてより実戦的な練習に重点を置いていかなければいけない時期にもかかわらず、こういった速いペースの練習を入れることで疲れてしまい、実戦的な練習において望むパフォーマンスが得られなくなったり、実戦的な練習からの回復が遅れ、臨むような適応が得られなかった時です。ここにさえ注意すれば、良い練習になるはずです」


いかがでしょうか?あなたの参考にもなれば、この上ない幸いです。


 ウェルビーイングオンラインスクールでは、このようにプロの知識と経験を活かして、あなたの練習に関する悩みを解決し、最短最速での目標達成や本人も想像もしなかったところへの到達をサポートさせて頂いております。まだ入校されていない方は、今すぐ下記のURLをクリックして、詳細をご確認ください。



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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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