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目標とするレースで結果を出すためには一体どこまでレベルの高い練習をやっておけば良いのか?

執筆者の写真: 池上秀志池上秀志

 突然ですが、あなたは練習でどこまでやればレースで走れるのか疑問に思ったことはないでしょうか?


 あるいは別の言葉で言いましょう。


 実業団を含むプロランナー達は練習で30㎞までマラソンレースペースで走るような練習をする人はほとんどいないということをご存知ですか?


 場合によっては、レースペースで半分のハーフマラソンを走ることすらなく、いやいや15㎞すら走ることもなく、それでもマラソンで2時間10分を切ることは結構普通にあることだということをご存知でしょうか?


 ハーフマラソンについても同様です。練習では半分以下の10㎞ですらレースペースで走るような練習をやっていなくても普通にレースでは63分台や62分台を出していくという事実をご存知でしょうか?


 実はこれ初心者に近いランナーさんほど共通している市民ランナーさんの問題なんです。否、実は私自身も初めはそんな感じでした。私が小学生の頃は駅伝の一区間の距離が1.2キロだったのですが、1.2キロを速く走るために只管(ひたすら)練習では1.2キロのタイムトライアルをしていました。


 確かに、理屈で考えれば物凄く分かります。バスケットボールの選手は実際にバスケットのコートとゴールを使って、試合で使うのと同じボールを使ってシュート練習をしますし、野球も試合と同じ塁間で試合と同じボールを使って、試合で使うのと同じバットで練習をします。もちろん、サッカーもテニスもそうです。


 このように考えると、フルマラソンの練習も42.195㎞を練習で全力走るのが普通の練習と考えるのはある意味では普通の思考だと言えます。


 ただ、実際にはなかなか一人でフルマラソンの距離を全力で走ることはきついし、また自己ベストを狙うということを考えれば、先ずは短い距離から目標とするマラソンのレースペースで走るということになります。


 その結果として、何が生まれるかと言うと特に都心を中心にたくさんあるぺーサー付きのハーフマラソンや30㎞の練習会や各種大会です。


 発想としては非常によく分かるのですが、単純に考えてプロでもやらないような練習を市民ランナーの方がやる必要があるのでしょうか。


 そもそも論ですが、何故プロのランナー達はそういった練習をやらないのでしょうか?


 結果を出す為であれば、どんなに辛い練習でも耐えてみせるというつわもの共が集まっているのに、何故そこまでの練習をやらないのでしょうか?


 その理由は単純で戦略という観点から見れば、そう言った練習は必ずしも理に適っているとは言えないからです。


 ここで戦略という言葉が出ましたが、そもそも効率が良い練習とか、戦略的に練習するとはどういう意味でしょうか?


 一般には楽な練習で結果を出せれば効率が良いみたいに言われがちですが、本来効率とは楽な練習で結果を出すことではなく、費用対効果を最大化することです。これは人生全てに言えることでしょう。楽な練習でサブ3が出来るのであれば、もっと頑張ればマラソンで2時間半が切れるはずです。


 家で勉強をしなくても京都教育大学に合格するほど効率の良い勉強方法があれば、もっと頑張れば京都大学に入れるはずです。


 たった100万円の投資で150万円の収入を作れるのであれば、1億円の投資で1億5000万円の収入が作れるはずです。


 たった1万ちょっとの兵力で満州を平定することが出来るのであれば、100万の兵力をもってすれば、東亜一帯を平定できるはずです。


 効率とは常に費用対効果を求めるものであって、必ずしも楽な練習で結果を出すことだけではありません。そして、トップランナー達のトレーニングとは、楽な練習は求めないけれども効率は求めます。それだけ多くの時間と労力を割くので当然のことです。そして、その結果としてマラソンレースペースでハーフマラソン以上の距離を走るような練習はやらない人の方が多いというか、やらない人が大半なのです。


 そして、ここも重要なことですが、やっている人とやっていない人で結果が有意に変わる訳ではないのです。これは理由があるようでない話です。敢えて理由を説明しようとすれば以下の通りになるでしょう。


 先ず、人間が持つ生命エネルギー(生物学的エネルギー、再合成できるアデノシン三リン酸の数)は常に有限です。トレーニングによって生み出せるエネルギー量そのものは増えますが、やはり人間は所詮人間なので、その範囲内には限りがあり、発電所や鉄腕アトムと比べると圧倒的に劣ります。世界記録保持者であったとしても生み出せるエネルギー量は一個の発電所に大きく及ばないでしょう。


 そういった条件下の中で、運動し、回復し、そこから適応しなければなりません。先ほど、戦略という言葉が出てきましたが、限られた生命エネルギー(再合成できるアデノシン三リン酸の数)をどのように、どの練習に分配するのかということを考えるとまさにそれは戦略そのものなのです。


 言うまでもなく、戦略とは元々は軍事用語であり、限られた兵力、戦闘機、軍艦、戦車、大砲、その他武器弾薬、医薬品、食料、水、輸送船などなどをどこにどれだけ配置すれば最も効率良くなるかを考えることです。これが経営にも応用され、限られた従業員、資金、その他物資(トラック、クレーン車、ダンプカー、パソコン、スマホなどなど)をどこにどれだけ分配すると効率が良いかを考える経営戦略という概念が生れました。


 トレーニングも全く同じで、自分の限られた体力と時間をどこに(どの練習に)どれだけ分配すれば最も効率良くなるかを考えるのが戦略です。そして、トレーニングには物凄く大雑把に分けると量、質、頻度の3つの観点があります。


 早い話が、フルマラソンやハーフマラソンという距離を速く走るにはどのくらいの距離をどのくらいのペースで走り、それをどのくらいの頻度でやれば良いのかという話になってきます。


 更に付け加えるのであれば、「最終的にはどのくらいの距離をどのくらいのペースで何本くらいやれていれば良いのか」を考えることが大切なことになります。


 私が「最終的には」という文言を付け加えたのは、別にレースから遠い時期にいつもいつもレース形式の練習をする必要はなく、少しずつ少しずつ段階を踏んで練習のレベルを上げていけば良いからです。


 ですが、やはり最終的にはある程度レースに近い練習やレースをイメージできるような練習が欲しいです。でも、繰り返しになりますが、25㎞や30㎞を目標とするマラソンレースペースで走るような練習は必要がありませんし、やったところでやっていない人と比べて結果が良くなる訳ではありません。寧ろ、場合によっては練習がきつ過ぎて体がトレーニング刺激に対して適応せず(超回復の原理が起こらず)、マイナスになってしまうことも多々あります。


 また、もう一つの問題点は際限なく、レースに出て全力で走ったり、目標とするマラソンレースペースで走るということを繰り返していると、評価観点が一つしかないということです。通常は一つの結果に至るまでの過程はなるべく細分化し、項目ごとに評価していくということが必要になります。


 これは一般社会における仕事もそうではないでしょうか?


 例えばですが、売り上げという数字だけを基準に上がったら褒める、下がったら怒るみたいな上司っていないでしょうか?


「会社は給料払っているんだから結果が全て」という言い分は私も給料を払っている身なので理解できます。しかし、私からすればそれは何も教えたことになっていません。売り上げがあがったとか下がったとか、契約が取れたとか取れなかったとかそれだけを見てほめたり、怒ったりしても何も改善は得られませんし、怒られた本人もどうすれば良いか分かりません。


 どうすれば良いかは分からないけれど、怒られたくもないし、解雇されるのも嫌だから、また頑張る、でも本質的には何をやっても良いか分からないままにがむしゃらに頑張っているだけなので、契約が取れても取れなくてもそれは運次第、自分でもよく分からないままに頑張っているけれど、成果は上がらない、つまり戦略無き努力、あるいは効率の悪い努力になってしまいます。


 それが営業の仕事なのかどうかは別にして、会社員の方は多かれ少なかれ同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか?


 只管(ひたすら)上司に怒られるけれど、改善点は何一つ教えてくれないみたいなことってないでしょうか?


 そういう時、私なら営業なら営業で評価項目を細かく分類します。一件の契約を取るその過程をなるべく細かく細分化します。契約が取れたか取れなかったかの0か1かだとそれ以上何も分析しようがないので、なるべく細分化して、これは出来るようになったけど、これはまだ出来ていないみたいに細分化してあげると、契約が取れていない段階においても自分の進歩というのが実感できるようになります。


 そして、実際に細かな進歩が積み重なっているのであれば、今すぐ契約が取れなくても進歩していることになります。


 マラソンも全く同じです。只管(ひたすら)レースに出て全力で走るとか、只管(ひたすら)目標とするマラソンレースペースで走れる距離を伸ばしていくとか、そればっかりやっていると先ほどの話と同じで出来たか出来なかったかの0か1になってしまって、出来なかった時に本人も何をどうして良いのか分からないままにひたすら歯を食いしばって同じことを繰り返すということになります。


 確かに、ある程度はそれを繰り返していれば体も強くなって、出来なかったことが出来るようになっていくのですが、行き詰まると自分でも何をどうして良いのか分からなくなります。唯一の違いは怒る上司がいるかいないかだけです。


 ついでに言えば、全国の中高生で自分でもどうして良いか分からないままに、またどうしたら良いのかを教えてもらえないままに、ひたすら苦しい練習に耐えて、先生からの叱責に耐え続けている生徒がたくさんいます。


 それでも良いのであれば、それで良いのですが、そうなりたくないのであれば、ある程度は最終的にどのくらいまで練習が出来ていれば良いのかという指標を持つことが大切になります。そして、繰り返しになりますが、最終的にどのくらい出来ていれば良いのかということは質と量と頻度の3つの観点から考える必要があります。


 頻度というのが分かりにくい場合は、余裕度と置き換えても良いと思います。頻繁にこなせるということはその人にとってはそれだけ余裕があるということです。一回一回の練習の負荷は高くなくても頻繁に繰り返すことが出来れば、それが力になっていきます。ただ、余裕度というのは本人にしか分かりませんし、また本人にとってもちょっと曖昧なところがあります。


 10歳の時に親父に殴られた痛みと今日箪笥の角に小指をぶつけた痛さとどちらが痛いかと言われても比較はかなり難しいです。そんな訳で、余裕度というのは周りには決して分かりえず、本人にとっても非常に曖昧なものなのですが、頻度という観点は客観的な指標になりやすいということです。


 そして、あんまりレースが近づいてから負荷の高い練習を入れるとレースに支障が出ますから、少しずつ段階を踏んで、だいたいいつ頃からいつ頃くらいまで、どのくらいの距離をどのくらいの質でどのくらいの頻度でやれていれば良いのかということを考えるのが効率の良い練習について考える一つの指標となります。


 更に説明を加えると、中長距離走、マラソンというのはすべからく大きく分けるとスピードと持久に分けられるので、スピード面ではだいたいどのくらいの距離をどのくらいで何本くらいでどのくらいの頻度でどのくらいの期間で来ていれば良いのか、持久面においてはだいたいどのくらいの距離をどのくらいの頻度でどのくらいの期間こなせていればということを考えるのが効率の良い努力、あるいは適切なトレーニング戦略を考える上での一つの指標となります。


 さて、ここからはそういったことを自分でも考えたいけれど、すでに結果の出ている人から教わりたいという方にお知らせです。弊社副社長の深澤哲也が最終的にどのくらいまで練習が出来ていれば良いのかということを徹底解説した約三時間の講義動画「5000mからフルマラソンで結果を出すための特異的トレーニング」という講義動画を作成しました。


 深澤についてはもう説明する必要もないかもしれませんが、8年間のブランクの後5キロを1キロ6分半とかで走るジョギングから始めて、わずか3年でハーフマラソン68分、フルマラソン2時間32分まで記録を伸ばし、コーチとしても滋賀県中学チャンピオン3人、滋賀県中学記録保持者、ジュニアオリンピックの優勝者など10代から60代まで数々のアマチュアランナーさんを成功に導いています。


 また、念のために用語を解説させて頂きますと、本記事内で解説させて頂いている「最終的にこのくらいまで出来ていれば良いという練習」こそが専門用語を使えば「特異的トレーニング」ということになります。


 そんな深澤哲也の「5000mからフルマラソンで結果を出すための特異的トレーニング」においては以下のような内容を解説しております。


・特異性と一般性とは

 特異性という概念、そしてその反義語である一般性について簡単に解説されています。


・特異性に関する2つのよくある過ち

 過去4年間で数千人のランナーさんとやり取りをさせて頂いてきた経験からトレーニングの最終段階における2つの過ちが解説されています。


・特異的トレーニングを行うべき時期

 だいたい本命レースの何週間前から何週間前くらいまで「最終的にやりたい練習」をやれば良いのかどうかが解説されています。


・特異期の原則と注意点

 最終段階の週間スケジュールを組む上で重要なこととレースを想定できるような最終的にやりたいワークアウトを実施する上での実践的な注意点が解説されています。


・本命レースで結果を出すために必須のピーキングファネル

 本命レースで結果を出すためにトレーニングの全体像と最終的にやりたい練習との関連性および全体像を理解する必要があるのですが、それをピーキングファネルという概念を用いて解説致します。


・5000mで最終的に出来ておきたい練習例

 本命レースが5000mもしくは5㎞レースの場合の最終的に出来ておきたい練習例です。


・10000mで最終的に出来ておきたい練習例

 本命レースが10000m、もしくは10㎞である場合の最終的に出来ておきたい練習例です。


・ハーフマラソンで最終的に出来ておきたい練習例

 本命レースがハーフマラソンである場合に、最終的に出来ておきたい練習例です。


・フルマラソンで最終的に出来ておきたい練習例

 本命レースがフルマラソンの場合に、最終的に出来ておきたい練習例です。


 それぞれの最終的に出来ておきたい練習例全てに言えることですが、ここまでは出来ていないとダメということではなく、寧ろこれ以上はやらなくても良いという一つの基準を明確に示したものであると理解して下さい。繰り返しになりますが、必要な時間と労力をどこにどれだけ配分するかを決めるのが戦略であり、これを決めることで無駄射ちすることがなくなるのです。


・深澤哲也のお気に入りの練習例

 実際に深澤がこの練習でこのくらいで走れていれば、レースではこのくらい走れるという指標になる練習、あるいはコーチとして選手として実際に指標になってきた練習が紹介されています。


 こちらの講義を受講して頂くことで得られるあなたのメリットは以下の通りです。


・練習の最終段階で詰めを誤ることが少なくなる


・無駄にがむしゃらに努力するのではなく、適切な戦略に基づく効率の良い練習ができるようになる


・自己ベストを更新できる確率が上がる


・約数百人の成功データを基にしているので、悩む必要がなくなる


 これだけの内容が詰まった講義動画がたった5000円の投資で受講して頂けます。お申込み手続きはとても簡単で、お支払い方法をクレジットカード、ペイパル、銀行振り込みよりお選び頂いたのち、講義をお届けさせて頂くメールアドレスと氏名をご入力頂けますと5分ほどで完了します。


 お支払い方法にクレジットカード、もしくはペイパルをお選び頂いた場合にはご入力頂いたメールアドレスの方に講義をお送りさせて頂きますので、文字通り10分後には講義を視聴して頂けます。


 銀行振り込みをお選びいただいた方には入金を確認後、手動にて講義をメールでお送りさせて頂きます。


 こちらの講義動画にお申込み頂けるのは2024年10月27日日曜日までとさせて頂きますので、予めご了承ください。


 また、悩んでいる、なかなか決めきれないという方の為にこちらの講義には全額返金保証をつけておりまして、全てご視聴いただいた後で万が一ご満足いただけなかった場合には理由を問わずに喜んで全額返金させて頂きます。


 ですが、そのようなことにはならないでしょう。過去の講義動画の他の受講生様の半分程度の満足度でも絶対に絶対に満足して頂けるのですが、いかがですか?


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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