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執筆者の写真池上秀志

【分かるだけで速くなる】前に進むのに下に力を加える理由説明できますか?

 突然ですが、あなたは走りの学校校長和田賢一さんという方をご存知ですか?


 私は数か月前、偶然見つけてちょくちょく拝見しているのですが、非常に勉強になります。その中に速く走るのに何故垂直方向に力を加えるか、つまり、何故足を振り下ろしたり、真上にジャンプするような練習が入っているのかということです。


 前に進むのに何故垂直方向に進むのか、あなたは説明できますか?


 説明できない方は(ご安心ください。ほぼ全員です)先ずは下の動画をご覧ください。


 ここからが問題なのですが、私何回やってもこの走りが出来ないし、この走り方だと経済的に走れないんです。


 誤解の無いように書かせて頂きますと、教科書的には和田校長のおっしゃっていることが100%正しいですし、実際にロンドンオリンピック男子マラソンの藤原新さんからも1500mと3000m障害でインカレ入賞4回、日本選手権でも2位に入った私の妻からもそう教わりました。


 でも、何回やっても無理なんです。


 ちなみに私は執念深い方で、高校、大学、そして、体調不良などもあり、プロとしてはクビになってからも挑戦しました。ただ、何回やってもやっぱり無理なんです。厳密に言うと、出来るか出来ないかで言えば、少しずつ出来るようにはなっています。


 でも、結局元々の自分の走りに戻した方が走りやすし、実際に楽に長く速く走れるんです。


 今回は力を垂直方向に伝えるということと、私の走り方と両方頭に入れて、自分に合う走り方を見つける参考にして頂きたいなと思います。


 先ず、私の走りに対する基本的な考え方としては、歩きに近いということと自転車に近いということです。


 歩きに近い方で言えば、歩く時って絶対に上にジャンプしないですよね?


 体重を前に前に移動させるだけで、足はすり足で動かすことが基本です。ほうきを掃くようなイメージです。地面を全く蹴らないので、楽なんです。動き続けることが出来ます。


 そして、自転車はと言えば車輪が回転し続けます。自転車の場合、漕ぎだしは力を必要としますが、一度回転しだすと力はあまりいりません。加速したり、登り坂にさしかかるとまた力を入れないといけないですが、一定の速度で走り続けるだけなら、あまり力を入れなくても走り続けることが出来ます。


 走りも基本的には自転車の車輪と同じように動かすのが楽に速く走り続けるコツです。ただし、自転車と走りには一つ違いがあります。


 それは地面との摩擦です。自転車は転がし続けるだけなのですが、走りの方は絶対に上下動があり、さらに足が地面と接地した時に地面との摩擦で一瞬速度が落ちます。一方で空中にいる時は空気抵抗しかないので、圧倒的に抵抗が少ないです。


 この抵抗の変化が常に一定の地面との摩擦を受け、一定の速度で回転させ続ける自転車との違いです。


 では、なるべく自転車のように回転させるにはどうすれば良いのか?


 それは接地の時になるべく足を転がすことです。踵から着いてつま先へと抜いていきます。同時に外側から着き、母指球の方に抜いていきます。こうすることによって足をスムーズに回転させるのです。


 一方で、垂直方向に力を加えようと意識すると、足をスムーズに回転させることが出来ないのです。また垂直方向に力を加えようと意識すると、地面反力で脚が上に跳ねるので、歩きとは程遠い動きになってしまいます。


 以上の理由から、私の場合は前に前に重心を前に移動させながら、足はなるべく摩擦を生み出さないように、接地の衝撃を和らげるように足を転がしながら、回転させることが楽に速く長く走り続ける最も良い方法なのです。


同じ一流選手の間でも言っていることが違うのは何故?

 私は別に一流選手でもないですが、一流選手から直接話を聴くことが出来る程度の走力は持っているものとして書かせて頂きますと、走り方に関する意識は人によって言うことが若干違います。


 それは何故なのでしょうか?


 一つの理由は筋力、骨格、神経回路などが違うからです。


 ですが、私が思うにそれよりも大きいのは人によって意識と動きの間に差があるからです。


 つまり、こういう意識で体を動かすというのと実際に体がこう動くということの間に乖離があるということです。


 例えばですが、私は常に走る時に出来る限り力を抜くように意識しています。時には心の中で「追い込まない、追い込まない、リズムでリズムで」と唱えながら走ります。ですが、それは追い込むためにそうしているのです。


 最も経済的な走りが出来た時に、一番速く走れる訳です。そして、時には「追い込まない」という意識を持つことが余分な力が抜けて最も速く走ることにつながるんです。特に距離が長くなればなるほどそうです。疲れないことが速く走ることにつながるからです。


 あるいは、腕の力を抜いて腕を振らない、腕は勝手に振られるものという意識で走ることもあります。この時、意識的には腕をほとんど振っていません。しかしながら、この時動画を観ると腕は結構振られています。


 脚の返しもそうです。私はほうきを掃くような地面すれすれのところを足が這うようなイメージを持っていますが、それでも結局足が前に返ってくるときは、踵がお尻の方にひきつけられてきます。


 もっと極端な例で言えば、片足で立つときに一本の大きな松の木をイメージして自分とその松の木が同化するようなイメージをすると、一気に安定するようになります。でも、人間が松になる訳はないですから、本来はおかしいです。


 でも、実際にそれで安定感が変わるんです。つまり、体が変わるんです。


 このように考えた時に、自分の意識と体の実際の動きはピタリと一致しない訳ですから、客観的な記述と、自分の意識を分けて考える必要があります。自分はどういう意識を持って走れば、最も楽に速く走ることが出来るのか、これを模索しながら走るとまた練習が楽しくなります。


 10月7日から10月9日まで美しい景色と美味しい空気と美味しいご飯と充実した練習を共に味わいませんか?


 鉢伏合宿の日が近づいて参りましたので、改めてアナウンスさせて頂きます。まだ詳細をご覧になられていない方は今すぐこちらをクリックして詳細をご確認ください。


素敵な夜をお過ごしください

ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志


追伸

 前回の鉢伏合宿、迷いながらも参加しなかった人が鉢伏合宿の様子をお届けさせて頂いたブログを読んで、「やっぱり行っとけば良かった!」とのお声をたくさん頂きました。あなたも後悔しないように是非こちらをクリックして前回の様子をご覧ください。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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