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執筆者の写真池上秀志

市民ランナー限定の走技術に関するワンポイントアドバイス

更新日:2021年3月24日

こんにちは、ウェルビーイング池上です!


 あなたはエリートランナーと一般のランナーは完全に違うと思うでしょうか?それとも基本的には同じだと思うでしょうか?


 私の周りにはその国を代表するような長距離ランナー・マラソンランナーからエリート市民ランナーから、最近マラソンを始めてまずはサブ4が目標という方までいろいろな方がいらっしゃいます。色々な方がいらっしゃるのですが、エリートランナー、市民ランナーの方ともに、お互いそもそも違う人種の人間だと思う人がほとんどです。


 エリートランナーの方はたいてい市民ランナーの方に対しては「「どうやったら速くなれますか?」って人に聞く前にもっと練習してください」と腹の底では思っている人が多いですし、市民ランナーの方はエリートランナーに対して「そもそも元から持ってる才能も違うし、陸上を中心に一日が回ることを許される特別な人種。私たちとはそもそも違う人間」と思っている人が多いです。


 一方で私は、オリンピック選手もサブ4を目指す人も基本的には同じだという考え方です。私自身もあなたと本質的には何ら変わりありません。あなたも私と同じように、過度な負荷をかければ、故障もするし、走力も低下します。一方で、適切な計画のもと、必要なステップを踏んで、長期目線で取り組めば、自分が想像もしなかったようなところにもたどりつけるでしょう。基本的には私もあなたも同じです。


 そんなスタンスの私ですが、2月、3月と市民ランナーの方が中心の記録会と生まれ故郷でかつての私も走っていた中学生がたくさん出る記録会に出て、競技者と一般のランナーの方の一つの大きな違いが目につきました。それはピッチの遅さです。


 競技者レベルになると、ピッチとストライドはほとんど同じになります。一人ひとり微妙に異なり、その微妙な違いが大きな差を生むのは事実です。ですが、それは個性に分類されるものであって、下手に他人の真似をしたり、あるいは指導する側としてもすべての選手を型にはめて指導することは危険なのです。


 ピッチでいえば、ほぼ全員が一分間に180-200歩です。190歩プラスマイナス10歩の間にほぼ全員がいて、一分間に10歩の違いというのは、一歩あたりで計算をしたら0.015秒の違いにしかなりません。ここまでの違いはそれ単体ではわかりません。1分間に180歩の選手と200歩の選手が一緒に走っていればどちらが速い遅いというのは分かるのですが、一人で走っていたらほとんど分かりません。


 ところが、2月の現状打破記録会、3月の亀岡陸協の記録会に出てみて感じたのは、一様にピッチが遅いということです。比較しなくても、パッと見て違和感を感じる遅さなのです。数えなくてもわかります。見た瞬間にアッ遅いなと思いました。


 特に気になったのが中学生のピッチの遅さです。私は大きい方ではありませんが、中学生ともなるとまだ私よりも身長も低く、体重も軽い子がほとんどです。ところが、私よりも体の小さな子たちが私よりもピッチが遅いのです。


 人間の体というのは大きさがほぼ決まっているので、ミニチュアダックスフンドのようにピッチを上げるということはできないのですが、人間の範囲内でいえば、ピッチは速ければ速い方が良いと言えます。なぜなら、一歩ごとのストライドが小さくなると接地の衝撃が低くなるうえに、必要なパワーも小さくなるからです。


 したがって、ピッチが多いと、故障もしにくく、長い距離を走るのに適しているのです。もちろん、同じパワーで走った時のストライドは長ければ長い方が良いのです。ですから、極論長距離選手も走り幅跳びや三段跳びの記録は良ければ良いほど良いです。でも、これは理論上の話であって、実践的観点から言えば、まずはピッチを1分間に180までもっていくことが先です。


 ストライドを伸ばすということは体格的なものや筋力的なものも大きく影響します。ですから、女子の一流選手であっても、私のような男子の二流選手と同じストライドで走り続けるということは至難の業です。世界記録保持者レベルでなければ不可能です。


 一方でピッチの速さは100%技術的なもので身に着けようと思えば身に着けられるのです。では、どのようにして身に着ければ良いのかということですが、まずは1分間に180のリズムを覚えることです。メトロノームを使っても良いですし、一分間に90回のビートを刻む音楽を探してもらってもかまいません。1分間に90ビートで右足か左足をそのリズムに合わせれば、1分間に180歩になります。トレッドミルで練習される方は、1分間に90ビートの曲を聴きながら走るというのも有効な方法だと思います。


 そうやって、まずは1分間に180というのがどのくらいのリズムなのかということを覚えたら、あとは実践です。体に覚えさせるのです。この時普段からピッチを速くする意識を持つことも重要なのですが、人間の集中力はそんなに長く続きません。そこでおすすめなのが、ショートインターバルや流しです。例えば、ショートインターバルなら200m20本を200mつなぎでやるとか、流しなら100mを5本で良いので取り入れるとかです。200mを20本やっても、40秒くらいしか集中する時間はありません。40秒なら集中できるでしょう。それを20本やっても、15分もかかりません。このくらいの時間なら集中できると思います。


 あるいはジョギングの後に100mを5本入れる程度なら日常的にも取り入れられると思います。競技レベルの選手なら、だれもがやっていることなので別にこの走技術を身につけたからと言って、人よりも上に行けるわけではありません。当たり前なのです。でも、市民ランナーの方や中学生の方はこの技術を身に着けるだけで、人よりも速く、そして見た目の走りも格段にカッコよくなります。


 そして、技術練習なので、追い込む必要もないので、コスパ最強の練習です。是非取り入れてみてください。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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