突然ですがあなたはもう低強度走、中強度走、高強度走という概念を適切に理解し、使いこなせているという自信がありますか?
今回は昨日リリースさせて頂いた新講義動画「マラソン四時間切りの為のトレーニング」の受講生様より、低強度走、中強度走、高強度走に関するご質問を頂きましたので、そのご質問内容と私の回答を共有させて頂きます。
質問
「低強度・中強度・高強度の分け方が難しいです。
速度で分けていてもその前日の練習内容によってしんどく感じたりします。
YouTubeで何度もこの言葉を聞くので自分に置き換えて考えてみました。
低強度 キロ7から7分半
中強度 キロ6(楽でなくなるペース)からキロ5分30
高強度 キロ5分10からキロ4分50(1kインタ-バル)
と考えるとキロ6分台が抜けます。
このあたりの練習ができてないのもあります。
どう考えると良いですか?」
これに対する私の回答は以下の通りです。
回答
「これらの練習は実際に低強度=主観的に楽であり、高強度な練習からの回復が可能であること、中強度=翌日に疲労を残さないことである必要があります。どういうことかというと、練習強度をペースや心拍数など様々な方法で指し示すことが出来ますが、重要なのはその練習の機能です。低強度走は必ず高強度からの回復が可能でありながらも練習効果があるものでなければならず、中強度の持久走は必ず翌日に疲労を残さない程度で練習効果が積み上げられるものでなければならないのです。
当然ですが、その強度はその日の体調によっても変わります。
また、その方の基礎体力レベルに応じて距離も変わるはずです。
例えばですが、基礎体力レベルが高ければ20キロの低強度走というのは有り得ると思います。つまり、ゆっくり走りさえすれば20キロ走っても疲労が抜ける人もいる一方で、いくらペースが遅くても20キロ走ったら疲労が抜けないという人もいます。その辺りはその方の基礎体力レベルに応じて微調整する必要があります。
一般的には同じ中強度走でも距離が長くなればペースもそれに応じて遅くなります。
高強度走も同様で、たとえいつもよりもペースが遅かったとしても翌日に疲労が残ったり、あるいは主観的にキツイと感じるのであればそれは高強度走なのです。このようにその日の体の状態や気象条件などに応じた微調整分を考慮に入れると、空白地帯は自然と消えるはずです。
また、基礎体力レベルの向上に応じても低強度走のペースが上がってくるはずです。低強度走のペースが上がるというのも大きな走力向上の一つであり、低強度走のペースが上がる=今までより速く走っても疲労が抜けるということは基礎体力レベルの向上を指し示し、レース結果も自然と良くなります。
低強度走のレベルが上がることも走力の向上であるという考え方を持つと良いと思います」
余談ですが、私は長距離走、マラソントレーニングに関する考え方に限らず、機能主義者です。もののデザインにはほとんど興味が無く、ものの機能にしか興味がありません。そのように考えることで物事がシンプルになります。ブランドも気にしない、流行も気にしない、気にするのは機能と価格だけです。
トレーニングにおいてもだいたいレースペースの何パーセントとか最高心拍数の何パーセントというような目安はあるのですが、それらの練習がどのような機能を持つのかと考えるとシンプルになっていきます。
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追伸
私自身も約2か月間の疲労骨折から今徐々に練習を戻してきていますが、初めは本当に低強度走、中強度走のレベルが落ちていました。故障前は1キロ平均4分15秒で20キロとかでも平均心拍数は130を下回っていたのですが、復帰当初は1キロ4分半とかのペースでも全然平均心拍数140を超えていました。
心拍数だけではなく、完全に脚筋力がへたっており、15キロを完走するだけでも結構きつかったです。10キロ過ぎてから脚がへたってきて、歩きたいなと思いながらなんとか15キロ走り切るみたいな有様でした。
そこから4週間低強度走と中強度走と流しで練習の中心を組み、同じ心拍数で走れるペースが1キロ30秒ほど速くなり、脚筋力も戻ってきて、20キロゆっくり走れば疲労が抜けるようになってきました。
この間、高強度な練習は2回だけです(それも故障前は中強度で出来ていた練習が高強度になってしまっていました😢)。
よく勘違いされるのは高強度な練習をしないと速くならないとか、高強度な練習を中心に考えている人がいるのですが、その人の走力の8割くらいは低強度走と中強度走のレベルで決まり、低強度走と中強度走の反復によって走力の土台をあげていくべきです。
こちらの方が効率良く楽に速くなります。これはその人の走歴や走力を問わない基本となります。
あなたの走力の8割は低強度走と中強度走と流しで決まる、これは絶対に忘れないようにしてください。
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