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執筆者の写真池上秀志

夏場は暑いから30㎞走をマラソンレースペースで5キロ4本から6本に変更するのが賢いやり方?

こんばんは!


 本日はウェルビーイングオンラインスクールのある受講生様から頂いたご質問とそれに対する私の回答を共有させて頂きます。


ご質問

「気象予報で特に8月後半以降の残暑は相当厳しい予報が出ており、フルマラソン向け

トレーニングに9月初めでも移行しづらく、30㎞の中強度はきつく、低強度でやっとの

時期が長くなる気がします。


 それであれば、マラソンレース導入期(9月まで)は30㎞中強度でなく、5㎞をハーフマラソンペースないしフルマラソンペースで4-6本(間は1㎞走る時間を休息か1㎞ジョグ)にする方がいいように思えてきています。いかがでしょうか。


 30㎞の時間をノンストップ、給水なしで行えるのはもう少し先、10月に入ってからでは

ないかと思えるためです」


回答

「気温に応じてペースや距離を微調整することは大切なことです。ただ、30キロ走の代わりにマラソンレースペースで5キロ4-6本という練習に変えることのメリットはありません。


 何故ならば、体温が過剰に上昇するのは時間と質の両方で決まるからです。運動時に生み出されるエネルギーの約7割は熱に変換されます。


 そして、ペースが上がれば上がるほど単位時間あたりに生み出されるエネルギー量は増えます。そして、その約7割は熱エネルギーへと変換されます。従って、ペースが上がれば上がるほど体温は上昇します。


 ただ、最終的にどこまで体温が上昇するかは単位時間あたりに生み出されるエネルギー量とその持続時間によって決まります。これが理由で、5000m以上のレース(特に10000m以上のレース)においては、気温が上がると記録がほぼ例外なく落ちるのです。


 逆に、ペースが遅い場合、単位時間あたりに生み出されるエネルギー量は少ないので、単位時間当たりの体温上昇度は少なく、比較的長時間走ることが出来ます。ですから、気温30度であれば例外なく10000mのレースのタイムは落ちますが、だからと言って10000mのレースペースよりも1キロあたり50秒遅いペースでの30キロ走が不可能になる訳ではありません。


 つまり、全てはペースと距離と気温と湿度によって判断することになりますが、マラソンレースペースというのは結構な高強度なので、5キロ4-6本に変更するのが有意に良い解決策になるとは思いません。


 ただし、いずれにしても微調整の部分の話になってくるので、細かい部分はご自身で色々と試してみると良いと思います。試してみて、例えば5キロ5本を5分休息でサブ3.5のペースで走る方がやりやすいのであれば、全然それでも良いと思います。ただし、体にかかる負荷が30キロの中強度走よりも有意に低くなるとは思えません。どちらかと言えば、はるかに大きな負荷になると思います。


 また、いずれにしても30キロ走を給水無しでノンストップで真夏に行なうのはかなり厳しいものがあるでしょう。周回コースで地面に給水を置いて実施するしかないと思います」


 真夏の練習方法についてもっと詳しく知りたい方は是非拙著『これを読まずに夏場の練習計画を立てないで!夏場のトレーニング論』を参考にして下さい。詳細はこちらよりご確認いただけます。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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