昨日のブログでは脳のパフォーマンスを下げるのは脱水症状と炎症が二大巨頭だということを書かせて頂いたのですが、本日は水の方ではなく炎症の方に焦点を絞り、脳の機能を高める食品を紹介させて頂きたいと思います。
先ずそもそも脳にどのようにして栄養素がいきわたるのかということですが、脳への栄養素も血液に乗って栄養がいきわたります。そして、その脳の手前には血液脳関門という門があります。この門のセキュリティは非常に厳重で、基本的には脳に必要のないものや有害なものは通しません。
ただし、それが完ぺきではないことは皆さんもなんとなくお分かりいただけると思います。本当に完璧であれば、脳卒中やアルツハイマー型認知症などの病気はないはずです。したがって、きわめて完璧に近いけれど、完ぺきではないのがこの血液脳関門だと思っていただけると良いと思います。
普段は特定の栄養素しか通してくれませんが、たまに食べものによって集中力の低下や認知機能の低下や記憶力の低下を招くのです。
今回は具体的な話に入る前に、私の個人的な栄養素と脳のパフォーマンスの関連性を示す体験談を書かせてください。
「フレンチフライ(フライドポテト)が体内で炎症を起こす」
こんな衝撃的な話を聞かされたのは私が二十歳の時、ケニアでのちに私のコーチ兼マネージャーになってくださるディーター・ホーゲン氏と昼食を取っていたときの話です。私はこの偉大なコーチを前にして、緊張していたのですが、何しろ若いし、練習量も多かったのでお腹を空かせていました。
当時の私は唐揚げやフライドポテトが大好きでした。栄養学的にもカロリーやせいぜい五大栄養素くらいの違いしか理解しておらず、体重管理こそしっかりとしていましたが、食べ物が体内で炎症を起こすという話は全く知りませんでした。
また当時は英語も今ほど流ちょうに話せず、いちいち紙に書いてもらって説明して頂いていたので、聞き間違いかとも思いました。ところが、コーチホーゲンが執筆しているTake the Magic Stepというサイトに書いてある栄養に関する記事をむさぼるように読んでみると、どうやら食べ物が体内で炎症を起こすということは本当のことのようでした。
そして、私はコーチが執筆されているそのサイト内の栄養に関する記事を全て読みあさり、実践に移しました。そうすると、気づいたことは集中力や記憶力が向上しました。そこから大学の成績も向上し、入学時にはそれほど芳しくなかった成績が4回生になるころにはほとんど全て優(80点以上)と秀(90点以上)になっていました。
1回生の頃は秀を取ることなどほとんどなく、可(60点以上)と良(70点以上)と優が適当にちりばめられており、平均すると良だったのですが、4回生になると優と秀が半々くらいの成績になりました。
正直な話、採点基準に関しては厳しい先生と甘い先生がいるので、明確に比較することは出来ませんが、平均を出せば条件はほぼ同じと言えるでしょう。またこれは起業してからも経験していますが、たまー-に外食が続いたりするとパフォーマンスの低下を感じることがあります。
これは主に出張の際に起こります。これが長期合宿になると自炊することがほとんどなのですが、出張くらいの短期間だとやはり外食やコンビニ食になるので、若干の集中力の低下を感じます。一日の間に一回くらい外食でも問題ないのですが、続くとちょっと影響を感じることはあります。
そんな訳で、本記事があなたのお役にも立てることを信じて執筆させて頂きます。先ずは脳に良い食品からいきましょう。
脳に良い食品その1:オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は脂肪酸とつくくらいで油の一種です。主に魚の油に含まれている栄養素で、サーモン、サバなどに含まれており、最もオメガ3脂肪酸の含有量が多いのはいくらとキャビアです。さすがは高級食材だけあってオメガ3脂肪酸の含有量が多いのですね。
植物性で言えば、アボカド、ナッツ、アマニ油に多く含まれますが、これはアルファリノレイン酸という形で摂取することになります。そして、アルファリノレイン酸は代謝の過程で75%が失われ、最終的にオメガ3脂肪酸として体内で使われます。
オメガ3脂肪酸は炎症反応を抑えてくれるので、トレーニングによる疲労からの回復を促進してくれます。従って、ニュージーランドで合宿をした際には全員夕食後に400㎎のオメガ3脂肪酸を摂取するようにと指示を出されていました。
私は今でもサプリメントで摂取しており、iHerbというサイトでいつも買っています。元々アメリカの会社ですが、普通に日本語のサイトもあり、日本にも流通していますので、良かったらこちらからチェックしてみてください。
様々な実験からもオメガ3脂肪酸が記憶力、反射速度、認知能力を高めることが分かっています。ただし、実はオメガ3脂肪酸は日本人にとってはそれほど、注意を払う必要のない食品かもしれません。様々な実験から分かっているのは、週に一回以下しか魚を食べない人と週に3回以上食べる人の間で有意な差があることが分かっているのですが、平均的な日本人は週に3回以上魚を食べないでしょうか?
もしも、それ未満の方は意識して摂取量を増やしてみてください。
脳に良い食品その2:エキストラバージンオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの違いをあなたはご存知でしょうか?
もちろん、オリーブオイルの中の一つがエキストラバージンオリーブオイルなのですが、早い話が、エキストラバージンオリーブオイルとはオリーブの最も良い箇所の油を抽出したものです。お茶やコーヒー豆で例えると分かりやすいと思うのですが、お茶の葉やコーヒー豆も良い箇所はそのまま、つまりコーヒーやお茶として使用されることが多いのに対し、少し悪い部分は風味が悪くてもばれないように、加工して使われることが多いです。
例えば、抹茶のお菓子やコーヒー風味のお菓子として使うと風味が少々悪くてもバレません。あるいは、デカフェにはコーヒー豆の悪い部分を使うと聞いたことがあります。理由は、コーヒー通はデカフェを飲まないし、仮に風味の悪さを指摘されても「デカフェだから」という理由付けが出来るからだそうです。
本当かどうかは分かりませんが、いずれにしてもそれと同じことがオリーブオイルでも起こっており、オリーブの悪い部分から抽出した品質の悪いものは「オリーブオイル」という名前でちょっと安くで売られています。一方で、「エキストラバージンオリーブオイル」と書かれているものは少しだけ高いのですが、それに見合うだけの投資価値はあります。
エキストラバージンオリーブオイルはオメガ9脂肪酸を多く含む数少ない油で、非常に抗酸化能力、抗炎症能力に優れています。その主成分の1つがオレオカンタールという成分で、このオレオカンタールは血液脳関門の働きを正常化させます。
逆の言い方をすると、この血液脳関門の調子が落ちることもあり、その際には脳に有害な物質も通ってしまうのですが、そうならないようにするのがオレオカンタールです。つまり、血液脳関門の働き自体も食べ物によって多少変わるということです。
またオーバーン大学で実施された調査によると、エキストラバージンオリーブオイルは神経炎症を軽減し、AMP活性化プロテインキナーゼと呼ばれる代謝たんぱく質の活動を促進し、脳内のオートファジーのプロセスを改善されることが分かりました。
脳内にも脳神経があり、それが我々の意識的、無意識的活動の様々をつかさどっているので、その炎症反応を抑えることの利点はなんとなくお分かりいただけると思います。
では脳内のオートファジーを促進するとはどういうことでしょうか?
オートファジーとは脳内の老廃物を除去してくれる作用のことだと思っていただけると分かりやすいと思います。例えば、傷口にかさぶたが出来て、やがてそのかさぶたが消えて、傷跡があとかたもなくなるというのは体の外側に起こるので、非常に分かりやすい現象ですが、同じように損傷した細胞や組織が脳内でも修復されています。
それと同じで体内でも目には見えませんが、老廃物を除去する作用があり、その一つがオートファジーで自食作用とも言われています。これを促進してくれるのが、オレオカンタールです。
またエキストラバージンオリーブオイルに含まれる単価不飽和脂肪酸が加齢に伴う脳内におけるミトコンドリアDNAの現象を防ぐ一助になることが、科学ジャーナル『フロンティアーズ・インセルラー・ニューロサイエンス』に掲載されていたデータからも読み取ることが出来ました。
エキストラバージンオリーブオイルは様々な観点から考えて、脳の機能を補助する役割を果たすのですが、私は主に野菜サラダに生でかけて塩やハーブソルトをかけることで摂取しています。あるいは軽く炒め物などをするときにも使っています。
脳に良い食品その3:MCTオイル
MCTオイルは健康志向の人は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
MCTは脳細胞の形成に関わる栄養素で、またケトン体という物質を産生し、直接的な形で脳のエネルギーになることも出来ます。
日清食品からも販売されており、先ほど紹介させて頂いたiHerbでも購入可能です。私自身も使ってみたのですが、確かに若干の集中力の向上は確認できましたが、なんといっても下痢のリスクが高まります。
少しずつ摂取量を増やして体を慣らしていかなければいけません。確かに、体が慣れると一回に摂取できる量も増えていきました。初めは数滴飲み物にたらす程度だったのが、ティースプーン半分になり、ティースプーンに1杯になり、ティースプーン2杯まではいけました。
ただ、やはり練習量が多くなると練習中の腹痛のリスクが高まるのでその量の調節が難しい食品ではあります。大丈夫な人は全然大丈夫でインターバルや距離走の前に摂取している選手もいます。
試す価値があるかどうかは、微妙なところで、わざわざ試す価値はないのではないかというのが私の意見ですが、その理由はメリットがないからではなく、デメリットがあるからです。しかしながら、これに関しては遺伝子によって違うことだと思いますので、自分の体で試してみたい方は、iHerbで試してみてください。日清食品よりも割安です。
脳に良い食品その4:ターメリック
ターメリックはカレーに含まれているスパイスの一種であり、ウコンに含まれている成分でもあります。二日酔い防止の飲み物としてウコンの力という商品がありますが、その商品の有効成分クルクミンはターメリックの主成分です。
ターメリックは私が大学4回生の頃から足底筋膜炎を慢性的に抱えていた4年間は非常によく使っていました。ターメリックは自然界に存在する中では最も抗炎症作用が強いと言われており、その頃の私は体内の炎症作用を抑えることが文字通り死活問題だったので、かなり重用していました。
一時期早稲田大学が学生駅伝3冠を達成した時の主将八木勇樹さんと合宿をしていましたが、その頃調理兵だった私があまりにもターメリックを多用するので、毎日出てくる料理の何かが黄色くなっており、閉口されたこともありました。
また世界最高のウルトラランナーの一人スコット・ジュレクは化学成分が大嫌いで、捻挫で足を腫らした時はイブプロフェンの摂取を拒み、豆乳にターメリックと黒コショウを入れたものを何杯も飲み、足首にターメリックをすりこんだ布を張り付けて治したのは有名な話です。
脳に良い食品その4:ショウガ
ショウガも強い抗炎症作用を持ち、昔から解熱剤として、あるいは傷口の消毒薬として使われてきました。ショウガも脳の炎症反応を抑え、脳の機能の低下を抑えてくれます。その作用をもたらすのは主にショウガポリフェノールと呼ばれる微量栄養素です。フィトケミカルは第七の栄養素とも呼ばれる栄養素で近年非常に注目されている栄養素です。
脳に良い食品その5:ニンニク
ニンニクの効能はこの10年だけで1000件以上の科学文献に引用されているが、その活用の始まりは古代エジプトにさかぼるそうで、古代エジプト人たちにも重用されていたそうです。ちなみに、私はずっと昔の人ってなんでそんなに何でも知っているのか不思議だったのですが、今思えば不思議でもなんでもなくて、現代人とは考え方が逆だったんですね。
現代人は勉強して、先に知識をつけてこの食品にはこういう体の良い物質が良いから食べようと判断していますが、昔の人は色々な食べ物を食べてみて体がどう反応するのか、実験していたんでしょう。
エジプト人がニンニクの効能を発見してから数千年後に書かれた『ドラッグ&ケミカル・トキシコロジー』に掲載された研究によると、ニンニクは記憶と学習のスピードを向上させうることが分かったそうです。ニンニクには神経保護作用があり、脳神経細胞も守ってくれるそうです。
脳に良い食品その6:薬膳スープ
6番目はちょっと例外的に、私のとっておきのレシピをおススメさせて頂きたいと思います。このスープの作り方は簡単で、皮をむいたニンニクを丸ごと一個(1かけらではなく、丸ごと1個)鍋に入れて水でゆで、そこにジンジャーパウダー、ターメリック粉末、黒コショウ、半分に切ったミニトマト、ハーブソルトを入れて煮込むという非常に簡単なレシピです。分量は目分量です。
時には出汁を加えることもありますが、妻の「出汁を入れると美味しすぎるから」という謎の反対にあい、現在は出汁は入れていません。元々は私が抗炎症スープと名付けており、味は度外視して作っていたのですが、思いのほか妻が気に入り、妻によって「薬膳スープ」と改名されました。
このスープ、飲んで頂けるといかにも体に効きそうな味がし、薬膳スープと名付けられた理由が分かっていただけると思います。
脳に良い食品その7:コーヒー
本当はもっと書きたかったのですが、最後の食品に入りましょう。最後はコーヒーです。コーヒーは最近の私のブログやメルマガではこき下ろされているので、最後に書かせてください。あくまでも私の体には合わないと言っているだけで、コーヒーは様々な研究から認知機能や集中力を高める効果があるとされています。
科学ジャーナル『サイコファーマコロジー』に掲載されていた研究によると、ラージサイズのコーヒー(200ミリグラムのカフェイン)を1杯、もしくはスモールサイズのコーヒー(65ミリグラムのカフェイン)を4杯飲むと知的活動に顕著な効果が現れるとあります。
この文献だけみると、カフェインが有効成分のように思えますが、カフェインだけではなくコーヒー豆に含まれるクロロゲン酸というポリフェノールが強い抗酸化作用を持ち、認知の低下を防ぎ、アルツハイマー病やパーキンソン病の予防になります。
一日当たりの最適なカフェイン摂取量は50ミリグラムから250ミリグラムとされていますが、私のように体に合わない人もいるはずですし、何よりも注意して頂きたいのは、カフェインはリカバリーの質を低下させることです。
カフェインを摂取すると、アドレナリンが分泌されます。人間はアドレナリンを分泌できる分量が決まっており、ランナーはトレーニングの為に、アドレナリンを取っておかなければいけません。それをカフェインを摂取して無駄射ちしてしまうと必要な時に撃つべき弾丸が残っていないという事態にもなりかねません。
この辺りは体と相談するしかないでしょう。
本当は脳のパフォーマンスを下げる食品も書かせて頂きたかったのですが、ここまでで6000字とかなり分量が多くなってしまいましたので、続きは集中講義「ウェルビーイングの為の栄養学」に譲りたいと思います。
「ウェルビーイングの為の栄養学」はランナーとして、仕事人として、学び人として、人間として、自身のパフォーマンスを最適化するための栄養学を解説させて頂いているオンラインスクールです。
ウェルビーイングの為の栄養学で解説させて頂いている内容は以下の通りです。
・長距離ランナーに必要な栄養学とは?
・リカバリーを最適化するとはどういうこと?
・ホメオスタシス機能の仕組み
・いつまでも若くいるための仕組みは?
・細胞はどのようにして生まれ変わっている?異常細胞はこのようにして生まれる
・これで体が大きく変わる!ミトコンドリアが人体に及ぼす影響
・日本一分かりやすい!目から鱗の酸化ストレス解説
・摂るべき脂質と避けるべき脂質とは?
・摂るべきタンパク質と避けるべきタンパク質
・摂るべき炭水化物と避けるべき炭水化物
・長距離ランナーの為の減量戦略。引き締まった体を維持する秘訣とは?
これらの要素を学んでいただくことによってあなたが得られるメリットは以下の通りです。
・トレーニングからのリカバリーを速めることが出来る
・故障やオーバートレーニングのリスクを下げることが出来る
・集中力が向上する(集中力の低下を防ぐことが出来る)
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・肌が綺麗になる
・見た目的にも機能的にもいつまでも若くいられる(場合によっては若返ることもあり得ます)
これだけのメリットが詰まっており、ロンドンオリンピック男子マラソン日本代表の藤原新さん(現スズキ浜松ACコーチ)からも「目から鱗の内容ばかりで非常に役に立った。全てのランナーさんに受講してほしいと言っていただいている内容がたった9800円の自己投資で受講していただけます。
「ウェルビーイングの為の栄養学」の受講手続きはとても簡単で、ご希望のお支払方法をクレジットカード、ペイパル、銀行振り込みよりお選び頂き、講義をお届けさせて頂くメールアドレス、お名前などの基本情報を入力していただくだけでたった5分ほどで完了します。
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